TH-D75は、MMDVMシリアルコマンドを内蔵しています。サードパーティー製のアプリケーションをインストールしたWindows PCにUSBケーブルで接続するだけで、簡単にD-STARリフレクターの運用をお楽しみいただけます。
下記は、PA7LIM David Grootendorst氏が作成した
BlueDV for Windows を使用し、Windows PCとTH-D75とをUSB ケーブル(USB Type-C)で接続してリフレクターターミナルモードで運用をする場合の基本的な設定の一例です。
注:
・サードパーティー製アプリケーションの導入や実際の運用方法などにつきましては、弊社のサポート対象外です。インターネット上の情報などにもとづき、内容を十分に理解された上で、ご自身の責任と判断でおこなってください。
【TH-D75の設定】
TH-D75の初期状態(
フルリセット後)から、下記のように設定します。
1.メニューNo.650(デジタル-DVゲートウェイ-DVゲートウェイモード)で [リフレクターターミナルモード]に設定します。
2.メニューNo.651(デジタル-DVゲートウェイ-自局コールサイン)で[A/B](Edit)を押して、リフレクターターミナルモードで使用するコールサインを設定します。
3.[MENU]を押して周波数表示に戻ります。
Aバンド側がリフレクターターミナルモードになり、右上に緑色で[TERM]と表示されます。
注:
・メニューNo.610(デジタル-送受信-自局コールサイン)の設定は、DV/DRモード動作時に適用されます。リフレクターターミナルモード動作時には適用されませんのでご注意ください。
・リフレクターターミナルモードはAバンド側でのみ設定されます。Bバンド側でのシングルバンド運用時は、リフレクターターミナルモードに設定することはできません。
【TH-D75とPCとの接続】
無線機とPCとをUSBケーブルで接続するには、あらかじめPCに仮想COMポートドライバーをインストールする必要があります。
下記の弊社ウェブページから、仮想COMポートドライバーをダウンロードし、PCにインストールします。
https://www.kenwood.com/jp/products/amateur/handy/th_d74/thd74_vcp_j.html
インストールのあと、上記ウェブページの説明にしたがってTH-D75に割り当てられたCOMポート番号を確認してください。
【BlueDV for Windowsの設定】
1.下記のURLにアクセスします。
https://software.pa7lim.nl/BlueDV/BETA/Windows/
ZIPファイル(複数ある場合は日付が最新のもの) をクリックし、ファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたZIPファイルを展開し、生成されたフォルダの中にあるファイルをダブルクリックして、プログラムをインストールします。
2.デスクトップ上に生成された"BlueDV"のアイコン
をダブルクリックし、プログラムを起動します。
[Menu] => [Setup] で、下記の設定Windowが開きます。
上記の画像のように各項目を設定します。(その他の項目は、初期値のままでかまいません。)
① 自局コールサインを設定。
② TH-D75に割り当てられたCOMポート番号を設定。
③ [Enable DTR] にチェックを入れる。
④ 日本語表示にするためには [Japanese] を選択。
⑤ [Save]をクリック。
メイン画面に戻ったら、[Menu] => [Exit] でプログラムをいったん終了します。
3.再度"BlueDV"のアイコンをダブルクリックし、プログラムを立ち上げると、下記のように日本語表示のメイン画面になります。
上記の画像のように操作をします。
① [シリアル]をクリックすると、プログラムとTH-D75とが接続されます。
② [DSTAR]をクリックすると、D-STAR用の画面になります。
③ 接続するリフレクターの種別を選択します。
④ 接続するリフレクターの番号とモジュールを設定します。
⑤ [接続]をクリックすると、リフレクターに接続されます。
注:
・Windows PC と TH-D75 とを Bluetooth でペアリングした場合は、メニューNo.985(PC入出力:DV Gateway)を、[Bluetooth]に設定します。
Windows で Bluetooth のCOMポート番号を特定するには、[設定] > [Bluetooth とその他のデバイス] で [その他のBluetoothオプション] をクリックし、[Bluetooth設定] ポップアップの [COMポート]タブで、[COMx 発信 TH-D75 'Serial Port'] として表示されているCOMポートを選択します。
・TH-D75 は、D-STAR用のボコーダーのみ搭載しています。D-STAR以外のモード(DMR, FUSION, NXDN)ではお使いいただけません。
【TH-D75 本体のコマンドによる接続】
下記のように、TH-D75本体のリフレクターコマンドでも接続や切断が可能です。
リフレクターコマンドにつきましては、取扱説明書【詳細編】p.16-8 「4. Reflector から設定する」に記載されています。
1.TH-D75の[▲](UP)を長く押して [相手先選択]-[Reflector]-[Link to Reflector]を選択し、接続先のリフレクターを設定します。
(下記は、リフレクター「REF030C」に接続する場合の設定例です。接続先に応じて適宜設定してください。)
2.[A/B](OK) または[ENT]を押すと周波数画面にもどります。
相手先に、接続コマンド[REF03CL]が設定されています
3.PTTを押すと、リフレクターへの接続コマンド(例:REF030CL)が送出されます。
リフレクターに接続されると、TH-D75では下記のような割り込み画面が表示されます。
4.リフレクターに接続後、QSOを行うには TH-D75の[▲](UP)を長く押して、[相手先選択]-[Reflector]-[Use Reflector]を選択します。
5.[A/B](OK) または[ENT]を押すと周波数画面にもどります。
相手先に、通常の交信で使用する[CQCQCQ]が設定されています。
6.TH-D75のPTT を押すとこちらからの音声がリフレクターに伝送されます。
BlueDV for Windows の表示が変わり、現在の動作状態が確認できます。
他局からの信号を受けると、下記のような表示になります。
以上は、BlueDV for Windowsを使用してリフレクターに接続するための必要最小限の設定です。
その他、メニューNo.611(送信メッセージ)や メニューNo.630/631(自局位置情報の送出)などにつきましては、取扱説明書を参照されたうえで適宜設定されてください。